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外科研修の概要

基本理念と特徴

済生会野江病院の外科研修では基本的知識、手技の習得を目標とし、外科手術の基礎を理解してもらうことである。これと同時に広く社会性や常識の習得に努める必要がある。外科手術は直接人体に侵襲を与え、患者にある程度の苦痛や危険性を伴うため、医師・患者間に十分な信頼関係を醸成しなければならない。さらに社会人としてのマナーを身につけ、院内の各部署の職員や院外の関係者と協調して診療を遂行できる能力を習得しなければならない。

外科研修の目標

1.一般目標

外科疾患の診療を理解する。

  1. 外科における診断法・手術適応・手術手技・術後管理の基本を習得する。
  2. 外科救急疾患の知識を習得する。
2.行動目標
  1. 患者・家族と良好な人間関係を確立し、インフォームド・コンセントが実施でき、プライバシーを配慮する。
  2. 医療チームの一員としての役割を理解して、院内外の関係者と協調して診療できる。
  3. 患者の問題を的確に把握し、その問題解決のため情報収集を行い、適切な判断をして、結果について指導医をはじめとする第3者の評価をうける。
  4. 患者と医療従事者の安全管理を理解し実施する。
  5. 症例提示と討論ができ、カンファレンスや学術集会に参加する。
  6. 医療上の法規・制度を理解し、適切な診療ができる。
3.経験目標
  1. 適切な医療面接を行い、患者の病歴聴取とその記録を行う。
  2. 全身の身体診察を系統的に実施して記載する。
  3. 得られた情報から必要な検査を実施し、結果を解釈できる。
  4. 外科的基本手技を習得する。
  5. 基本的治療法を決定し適切に実施できる。
  6. 重要な医療記録を適切に作成して管理する。
  7. 診療計画を作成し評価する。
4.経験すべき病態

消化器外科、呼吸器外科を中心とし、さらに外科的救急疾患の病態。

外科研修プログラム

(1)済生会野江病院
消化器外科及び呼吸器外科並びに心臓血管外科を基本科目として同時平行して研修を行う。

(2)研修の指導体制
常勤の医師が指導医として1対1の指導を行う。

外科研修の到達度の評価

個々の項目と到達目標は外科卒後研修ハンドブックに示す。

(1)研修医の自己評価

各項目における獲得目標を、研修期間中にどれほど達成できたかを研修医自らが評価する。評価の段階は下記評価表に従って評価する。

評価段階 到達レベル
5 完全に独立してできる
4 必要に応じて指導を受ければ、ほとんど独立してできる
3 指導を受けながら自分でできる
2 手伝うことができる
1 できない

研修期間終了時にはその期間の研修の結果、問題点、研修内容への希望など、研修の総括を行う。

(2)指導医の評価

研修医の自己評価項目と同様に、指導医も最終獲得目標を 5 とした自己評価を行う。

(3)指導体制の評価

研修指導者責任者は適宜会議を開き、研修状況の把握と問題点を協議し、カリキュラムの改善を図る。

 

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